はじめに

 これは清水幹夫が編著したオリジナルな「電子日蒙索引 (辞典)」です。何故このような索引が必要と考えたかとい うと「現代モンゴル語辞典」改訂増補版・第一版(小沢重男編著・大学書林・1994年東京)の巻末に5,454語の簡易和蒙単語集が付されていることとも関係があるのは事実ですが、モンゴル語の辞典を電子化して編集していく途中で用語の問題に気が付いたからでした。

 例えば、電子化した「現代モンゴル語辞典」で「使う」というごく一般的な単語を「本文検索」しても該当する単語хэрэглэхが出てきません。これは辞典にхэрэглэхが載っていないのではなく、хэрэглэхの訳が「利用する,用いる.消費する」となっていて「 使う」や「使用する」などの訳が一つも使われていないために生じることなのです。運良く「用いる」を思いついた人はまだいいのですが、そうでないと検索しても目指す語が見つかりません。この場合「利用する」という訳が最初に書かれていますが、それはむしろашиглахの訳としての方が適切です。このように元々が蒙和で編纂されている辞書の場合には訳語が適切でないと日本語からは検索がうまくいきません。
 また、例えば、モンゴル語で「食べる」は何というのか調べたいとします。「電子モンゴル語辞典」を「食べる」で検索すると55語が同時に見つかります。この中からидэхに到達するにはかなりの時間がかかります。「見る 」を調べると110語が一度に検索されてしまいますし、「する」に到っては4909語にもなります。これはこれで高度なレベルで利用する価値が十二分にあるのですが、初心者では時間を浪費してしまうだけです。

 この解決方法として上記「使う」の場合には、この「使う 」という語を訳語に追加してしまうことが考えられますが、「電子モンゴル語辞典」の内容に関しては私がまったく一から編纂した訳ではありませんので、著作権に抵触しこれはできません。もし、できたとしても「食べる」「 みる」などの場合の問題解決にはなりません。
 もう一つの解決方法は日本語で検索語が付けられている別の索引をつくることです。時間はかかりますがこれならできます。
 そこで、新たに検索語と見出し語を日本語でおこしました。 これによって「本文検索」ではなく「一網打尽」機能による日本語での一発検索が可能となりました。換言すればこれが「電子日蒙索引(辞典)」です。検索ツールの一つである「Jamming」では辞書を複数登録して一括検索も可能ですから「電子モンゴル語辞典」と併用すれば、簡単な単語を忘れた時やHitしている単語数が多い場合しぼって日本語検索できますので結構便利に使えます。英語訳掲載のモンゴル語辞典がなくても電子和英辞典を追加登録すれば、一括検索で英語も同時に見られるのですから、今更英訳を加える必要もありません。 私の場合「現代用語の基礎知識」や「広辞苑」「漢字源 」「20万語よみ方書き方辞典」なども同時に検索できるように全ての辞典をハードディスクにImageCopyして編集作業を続けました。尚、モンゴル人の使用も考えて全漢字に平仮名を付し、外来語はその語源を示し、文法的な解説も追加しました。私がモンゴル人民共和国時代に滞在中採集した語彙などオリジナルも少し追加してあり「電子モンゴル語辞典」の裏焼きではありません。参照した最新の辞典は下記参考文献をご覧下さい。


            凡    例

I)見出し語
 平仮名を日本語「五十音図」により順に示し、片仮名(外来語のみ)、漢字を付した。外国人にとっては一番判断しにくいものであるので、漢字はあっても用いられることがほとんどない場合には**を、また、表記することも結構あるがTPOや個人差によって使用にばらつきがあるものは*記号をそれぞれ漢字の前に付けて表した。外国人なら**と*は普通学習の必要はないと考えられる。相当日本語ができるようになっても漢字の書き分けは難しく、日本人なら漢字で書かれるとかえって違和感を感じることから平仮名や片仮名で書いたりするものも(「さほど」然程 、「それ」夫れ、動植物名など)、辞書に漢字が書かれていると日常的なものとして当然使ってしまう。しかし 、これらはむしろ漢字で書かない方が自然であったりする。ただし、個人的な使い方にはある程度差があるので、 ここで示しているものは一人の日本人としての判断にすぎないことをお断りしておく。漢字で書く書かないは常用漢字かそれ以外かで概ね知れるところであるが、必ずしも現実の運用ではそうなっていない。なるべく現実に近づけるための工夫である。外来語の場合は漢字の欄に必ず語源を示す外来語を表記したが、概ね「広辞苑」(第4版)と「外来語の語源」(角川書店・初版)に従っている。 国名がなくアルファベットのみ記してあるものは全て英語である。

II)訳語・用例
1)日本語による例文・用例・説明中の漢字には全て平仮名を付けた。
 例:うがい *嗽  {用例} 〜薬(ぐすり)
 この場合「うがいくすり」と言わないが、外国人には解りにくい。
  ただし、同一ページで平仮名が付してある漢字が再度使われる場合や、この辞書で繰り返し使用されるものは平仮名を付していない。ここにのみ平仮名を付す。

以下の通り。
 略(りゃく)、略(りゃく)す、省(はぶ)く、省略(しょうりゃく)する  丁寧語(ていねいご)、関連語(かんれんご)、同意語( どういご)、反意語(はんいご)  ーの反(はん)、ーに同(おな)じ、ー語(ご)、ーの意 (い)、ーの意味(いみ)  ーの転(てん)、ーとも言(い)う=ーとも、ーと書(か) いたりする=とも書(か)く  →ーを見(み)よ、ーを参照(さんしょう)  和製英語(わせいえいご)、差別用語(さべつようご)、 日本(にほん、にっぽん)、日本語(にほんご)、四字熟語(よじじゅくご)

2) 複数の語義を持つものは・・・などの数字では示さず;をもって区別している。
 例:ばん 番 ээлж;хамгаалалт(前者は 「順番」、後者は「見張り番」の意)

3)モンゴル語で-аас4 は-аас, -ээс, -оос, -θθсを、-тай3は-тай, -той,-тэйを表す。 -の記号は前の語根に接尾することを表す。

4)見出し語や訳語が用例において繰り返し使われる場合にはスペースの関係で「〜」記号を用いた。
 例:あかい 赤い  улаан  〜本(ほん) 〜 ном

III)省略記号
 → 参照せよ  ⇔ 反意語

IV)その他
 重要語には用例と例文を掲げているが、まだ充分と言えるものではない。今後増やしたい。「電子日蒙索引(辞典)」 としたのは索引なみの単語しか無いところがまだ多くあり、見出し語も少なく、辞典としての機能がまだ充分ではないことによる。ただし、これから発展させて辞書にまで育てたいので括弧に辞典と入れさせていただいた。見出し語・平仮名・解説・文法・参考などを更に加え、日本人だけでなくモンゴル人にも使いやすい電子辞書を目指したい。

参考文献
D.Altangerel: "ENGLISH MONGOLIAN DICTIONARY" New Edition, INTERPRESS,Ulan-Bator, 1998.
Я.Цэвэл: "Монгол хэлний товч тайлбар толь" Улаанбаатар, 1966.
小沢重男:「現代モンゴル語辞典」改訂増補版・第一版.大学書林.1994年
瀬田 茜:「初級和蒙辞典」初版.瀬田 茜.1998年.
ダムバダルジャー・ナランツェツェグ:「日本語・モンゴル語基礎語辞典」初版.大学書林1998年.
バルサン セルジャブ・荒井伸一:「日本語モンゴル語辞典」初版.モンゴル科学アカデミー北東アジア研究センター.ウランバートル.2000年.
森塚 厚他:「日ー英ー蒙 技術専門用語集」第三版.モンゴル青年海外協力隊.ウラーンバートル.1998年.
その他
「外来語の語源」初版.角川書店.1979年
「漢字源(全漢字拡大版)」電子ブック.学習研究社.1994年
「現代用語の基礎知識(電子ブック版1995)」電子ブック.自由国民社.1996年
「広辞苑&英和・和英研究社中辞典」電子ブック.岩波書店.研究社.1994年
「20万語よみ方書き方辞典」電子ブック.日外アソシエーツ.紀伊国屋書店.1993年

「電子日蒙索引(辞典)」
 版権は著者である清水幹夫に帰属します。版権者・発行者の許可無く電子的にも複製・出版・発行することはできません。
初版 2001年 10月 1日 著作者 清水幹夫   編集及び電子編集者 清水幹夫  発行者 清水幹夫
見出し語 2001年 10月 1日  7,564語

「電子日蒙索引(辞典)」をダウンロードする(521KB-TextFile)

開発環境
OS: MacOS 7.1〜9.1
PC: Power Macintosh 7300/166
CPU: Power PC G4 (MAXpowr newertechnology 400 MHz), RAM 272 MB
HD: 内蔵4GB  外付け13GB
CD-RW:Logitec LCW-RW8416/M

OS: Windows 98 Second Edition
PC: IBM Aptiva 27J
CPU: AMD-K6-2/500 MHz, RAM 64 MB
HD: 10GB
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